逆血があったのに点滴が落ちないのはナゼ?ールート確保の成功率をぐっと高めるコツ(その2)


ルート(末梢静脈路)確保をする際に、最もありがちな失敗が「点滴が落ちない」です。

内筒の逆血はあったのに、なぜ?

前回の記事で、血管内に外筒が入っている事を確認してから外筒を進めよう、というテクニックについて話しました。

今回は、外筒が血管内にある事を確認した上で、外筒を血管内に留置する際の成功率を高める方法についてお話します。

上記の図は、血管内に外筒が入っているけれども「点滴が落ちない」状態です。

そう、外筒が血管内に入っていても、このように先端が曲がってしまっている状態では点滴は落ちません。

理想的には、このような状態に持ってくるのが理想です。

では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。

 

内筒を完全に抜かない

前回の記事で、ありがちな失敗は内筒の逆血を確認してそのまま外筒を進めてしまう事だ、と言いました。

そうすると、外筒が血管内に入っていない可能性があって

手前過ぎたり

血管を貫いてしまったりするかもしれない、その状態を確認できないよ、というアドバイスでした。

今回紹介するのは、外筒の逆血を確認した上で外筒を進める段階で、先端が曲がってしまう事を防止するテクニックです。

具体的には、外筒だけ進めずに内筒も一緒に進めろ、です。

前回、内筒の逆血を確認した後、寝かして針を少しだけ進めて、内筒を少し抜いて外筒の逆血を確認するという、上図の段階まで説明しました。

前回はこの段階から

いきなりこの段階までうまくいっていましたが

こうなる可能性だってあります。そこで

このように、内筒と外筒の位置関係を変えずに、両方とも血管内に入れてしまいます。

そうすると、内筒がガイドワイヤーのような役目をになって、ビニールでできた外筒の先端が曲がってしまうのを防いでくれます。

上図の段階で、内筒を抜いてしまえば

こうなる事間違いなし。

 

針は寝かせて、内筒だけ入れるのはやめて

ここで注意したい事が2つあります。

まず1つは針全体をかなり寝かせる事です。ここに来て角度があると血管を貫いてしまい、せっかく外筒の逆血があったのに

こういう状態になってしまいます。

注意点の2つめは、内筒と外筒の位置関係を変えない事です。特に、内筒だけ進めるのはご法度です。

なぜなら

このように外筒が内筒より前に出ている状態で、内筒だけを進めると

こうなるからです。

なので、必ず内筒と外筒を一緒に、針全体を進めるようにしましょう。

 

 

リカバーする方法は?

もし上図のように、先端が曲がっている可能性がありそうだったらどうでしょうか。

具体的には、手元が狂って「内筒だけ置いてけぼり」になって、外筒だけが先行してしまったな、と思った時です。

リカバーする方法としては、注射器で圧力をかけて生食を流す、です。

外筒はビニール製ですから、中に液体が高い圧力で通れば、曲がっている先端が伸びて

こうなるかも、しれません。

しかし実際のところ、少し手前に引いて生食が入っても、そのまま進めるとまた先端が曲がってしまう場合がほとんどです。

また、もし注射器でも入らなければ、先端が血管内にないため諦めましょう。