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蛇行、逃げる、細い、硬い…老人のルート確保のコツ【角度に注意】

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いきなりですが、老人つまり高齢者の方のルート確保って、やはり難しいですよね。

僕も慣れるまでは大変でした。

慣れてからは、むしろ高齢者の方の方が血管壁が浮き上がっていて見やすいので、個人的にはやりやすいです。

逆にこの世で一番やりにくいのは、お肉がたっぷりとついたふくよかな高齢者という事にはなりますが…。

ではなぜ、高齢者のルート確保は難しいのでしょうか?

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老人のルート確保が難しい理由=蛇行、逃げる、細い、硬い。

高齢者のルート確保が難しい理由は4つあります。

それは血管が

  1. 蛇行している
  2. コロコロと逃げる
  3. 細い
  4. 硬い

からです。

 

1、蛇行している老人の血管を攻略するには

まず第一関門。蛇行している血管。

蛇行とは読んで字のごとく、ヘビのようにぐねぐねと曲がっている事を表します。

高齢者の血管って、なんだかぐねぐね曲がっていますよね。

え、これどこ刺すよ?

って気持ちになります。

蛇行している血管へのルート確保が難しいのは

  • 蛇行しすぎていて壁に当たりやすい

からです。つまり

この状況から、内筒だけ進めても

こうなりやすい。

この邪魔者を一気に排除する方法は、それはたった1つです。

外筒を進める際、内筒を完全には抜かずに一緒に進めること

金属部分の内筒を残しておく事で、ビニールでできたぐにゃぐにゃの内筒に「こし」が残るため、蛇行した血管でも内筒が折り曲がりにくく、壁に当たる事なく留置できます。

詳しくは下記参照。

ルート確保を得意に!上手い人の技術、コツとポイント

 

2、コロコロと逃げる老人の血管を攻略するには

老人の血管はコロコロと逃げてしまい、なかなか針の先端が静脈を捉えられません。

ジリジリと獲物によってはいるものの、いざという時に決めきれない。

まるでサバンナのライオンのようです。厳しい世界ですね。

コロコロと逃げる老人の血管を攻略するのは簡単です。

それは血管分岐部を狙う事

つまり刺す場所を考える、見極める。これだけです。

こちらについては下記を参照。

【血管分岐部】ルート確保における第一選択となる部位は?

 

3、老人の細い血管を攻略するには

いきなりですが、マッチョな人は得てして血管が太くて見やすい、というイメージがありませんか?

実際、筋肉量が多いと、必要とするエネルギー量が多く、燃焼に必要な酸素需要が高くなります。結果、それに対応するために抹消血管が太くなります。

逆に言えば脳性麻痺や脳梗塞などの既往があって、体に麻痺が残存している人、高齢者、など「筋肉量の低下が想定される患者さん」では、抹消血管が細い可能性が高いと言えるでしょう。

そういう意味では、女性で「浮き出ている血管が好き」というのは、ある意味男らしさの象徴であるから、かもしれません(笑)

さて、細い血管で末梢静脈路(ルート)を確保する際に気をつけなければならないのは、血管を貫通させないという事です。物理的により細い管に針を刺せば、貫通しやすいのは理解しやすいと思います。

血管の後壁を貫くと、血管が貫通してしまうため血液が漏れ出し、皮下出血を来してしまいます。

それを予防するにはどうしたらよいでしょうか?

 

3、細い血管でルート確保をするコツ=角度をなくす

答えは「角度をなくす」です。

限りなく地面に平行に近い状態にして、針を進める事で、血管後壁を貫きにくくなります。

理由を説明します。

上図のように、同じだけ針を進めても(a=b)、角度が違うと「進行する深さ」が異なります(c<d)。

つまり、下図のように、角度をつけた状態では少し針を入れただけで結構深く刺さってしまい、貫通しやすくなってしまうわけです。

数学で言う所の三角関数、sin、cosで考えれば、sinθ(深さ)は角度がつけばつくほど大きくなるからです(0°≦θ≦90°)。

逆にcosθは角度がつけばつくほど小さくなるため、「まっすぐの血管がない(直線部分が短い)」時は角度をつけると、短い血管に入れやすいと言えます。

ただ、難しいのですが、角度をつけなくすると、今度は硬い血管にうまく刺さりません。

細くて柔らかい血管の場合、とにかく角度を浅くすればそれで良いのですが…。

ではどうしたら良いのでしょう?

 

4、老人の硬い血管を攻略する方法

硬い血管を貫くには、角度をつけるか、力を入れるしかありません。なるべく勢い良く血管を刺します。

逃げられないように、思い切ってプスっと。

ただ血管の内腔は細いので、勢い余って後壁を貫かないよう注意しましょう。

あくまで、角度は浅く。

角度さえ浅ければ、多少ストロークが長くても、刺さる深さはそれほどです。

上図で言う所の、aとbがストロークです。

ストロークが長くても、角度が浅い=Θが小さければ、深さ=cとdは小さいままですみます。

慣れるまで少し訓練が必要ですが、できるようになれば一気に「高齢者のルート取り」は上達するでしょう。

この辺りの、手先のプツッという感覚を覚えると、一気に上達できます。見えない血管にも刺す事ができます。

肥満などで血管が見えない時、確実に点滴ルートを確保するたった1つのコツ

 

蛇行、逃げる、細い、硬い、老人のルート確保の4つのコツ

蛇行、逃げる、細い、硬い、老人のルート確保の4つコツは

  1. 内筒を残したままルートを留置する=血管壁に当たるのを予防する
  2. 固定性の良い血管を選ぶ
  3. 角度を浅くする
  4. 勢いよく確実に刺す

でした。

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