点滴や採血で、駆血しても血管が出ない時の対処法


1、腕を下げる

例えば上肢で採血、ルートを取る場合、手をだらんと垂らします。重力の手助けを得て、静脈のうっ滞を引き起こします。

そうする事で、静脈血がうっ滞し、静脈が怒張、血管の断面積が増え、狙う「獲物」が大きくなります。

2、筋肉が太い部分で駆血し直す

駆血は、静脈のみをつぶれさせ、そのつぶれた血管より末梢側の静脈内の血流うっ滞をさせる事が目的です。

ホースの水で例えると、出口のみを塞ぎ、蛇口はひねったままにしておく事で、ホース内の水が増え、張ってくる状態と同じです。「蛇口をひねったままにする」というのが重要で、蛇口から流れてくる水の勢い=圧力がかからなければ、いくら出口を塞いだところで、ホースは張ってきません。

つまり、蛇口を閉じる=動脈もつぶれてしまうと、血管の怒張は得られません。そのため、動脈がつぶれるような縛り方をしては十分な怒張を得られません。

筋肉が太い部分、腕ならば上腕二・三頭筋、脚ならば腓腹筋(ふくらはぎ)あたりが良いでしょう。

3、手をグーパー

筋トレをした後、血管が浮き出てくるように、人間の体は運動をすると組織の酸素需要が高まり、乳酸などの代謝産物をはやく流すためにも、通常時よりも多くの血流を必要とします。

そのため、患者さんに軽く手をグーパーしてもらったり、腕を動かしてもらうと時間あたり血流量が増加し、駆血した状態ではよりうっ滞しやすくなります。

なお、これは駆血した状態で行わないと意味がありません。ホースの例えで言うと、出口がガラ空きである場合蛇口の水をどんなにひねったところで全てダダ漏れ、ホースは怒張しません。駆血をして=出口を締めてから、運動して血流量を増やす=蛇口をひねる必要があります。

4、中枢側から末梢側にこする

静脈には一方向性の逆流防止弁がついています。目的とする血管の、より中枢の位置から、中枢から末梢に向かう向きで手をこすります。

すると、中枢にうっ滞していた静脈血が、目的とする血管内に流入します。逆流防止弁がついていますから、目的とする血管内に流入した静脈血は、防止弁によって中枢側へ戻る事なくせき止められ、目的とする血管がより怒張します。

もしこの方法を行った上での採血やルート確保で失敗した時は、必ず駆血をし直しましょう。なぜならば、その失敗した部分より中枢側で刺さなければならないわけで、駆血を解除しないと、先ほど失敗した時に刺した場所に静脈血は集まっており、その中枢側=今から刺そうとしている側には、静脈血が十分な量が無いと想定されるからです。

5、温める

ほぼ1〜4の方法で行って血管がとれない、という人は存在しません。もしとれなければ、それは刺す側の技術不足に他なりません。

しかし、どうしてもうまくいかなく、これからまだ上手くなって将来的にはできるようにはなるけれども今はまだ経験が足りず入らない、しかし何とかして今この場でルートを取らなければならない、という場合に、使える最終手段が加温です。

事前に取るのが難しいとわかっている場合には、最初から温めてもらってチャレンジしましょう。